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第107回 「今津久雄的こころ」     令和 3年5月10日                  外食経営塾塾長  今津久雄  

 前職時代「3本足経営」とよく言っていました。カメラの三脚が安定する最小限だったからです・・・もちろん、太く大きい一本足も安定はするのですが「平地しかだめ」なのですね。いろいろなことが起きる会社経営、時代の変化に対応してゆくには「三本足」であれば平地でなくても、斜面でも、凸凹でも対応できる・・・という考え方からでした。ただ、独立後「痛感したのは」「一本目がある程度安定していないと、二本目・三本目には行け無い」ということでした。

 父がかに料理を始めたきっかけは、家業の旅館・観光地の大阪案内所を担当したとき、城崎の名産だった「松葉蟹」をお客さまが希望されたことがきっかけ「こんなに欲しがられるのなら、いっそかに料理店を」から始まり、一店舗目は苦戦。今、何かと道頓堀風景で映る「かに道楽本店」を出店してからの勢い・・・ということです。

 私は関東地区担当し、新規出店しながら・・・慢性手不足(というより、就職希望者が無い)業界だったこと、冬中心の店だったこと等で「社員教育」「夏場の店」「社員の個性発揮」等々目指したくなりました・・・「社員教育」は、社内学校や、教育会社(別会社の方が効果あり)「夏場の店」として肉料理店、魚料理店。「社員の個性発揮」の場所として、配送部、セントラルキッチン、弁当屋(別に御縁で喫茶店、花屋、眼鏡屋等々)も行いました。殆どがかに料理店から「少しの工夫」で開業できました。社内学校と社員教育会社は、専門家をお願いして運営してゆきました。結果(苦労はありましたが)「社員の辞めない会社」として評価されるようになりました。

 本業が「幾分安定」してきましたから、次の「欲・不安」を感じ、せっかく縁のある従業員諸氏と「現業の枠以外でも個性発揮してもらえる場を作りたい」「合わないから辞める」「期待度高い社員を辞めさせない」等々感じました・・・私の過剰期待、勝手期待、勝手人事で空回り・・・「人事はスカートだよ」と・・・大事なところは下から丸見え。上からは何にも見えないよ・・・以後「客観的に接するように」「数字化」「図式化」「客観的視線・評価」で判断できるようにシステム化に努力した記憶があります。

 父のかに料理進出は「新規事業ではありません」家業の「延長・周辺事業」だったのです。私の3本足への進出も「全く異業種」はありませんでした。必要?個性発揮させる?等々のことからでした・・・その視線・判断要因・・・意外に存在するのでは無いでしょうか。